「森の声に、耳をすます-空師、佐野大介さんと考える、森との関わり方-」を聞いて
- 早田雄次郎

- 10月28日
- 読了時間: 2分
26日(日)OKEBAで開かれた、暮らしの教室「森の声に、耳をすますー空師、佐野大介さんと考える、森との関わり方-」を聞いてきました。

大磯の森林・樹木・里山アドバイザー(坂田昌子さんと共に)もされており、私の住まいの近くのイチョウ伐採問題の件で話は聞いていたのですが、少し前に偶然、大磯の高来神社でお会いしていたご縁もあり、このお話会があることを知って即予約しました。

「空師」を知らない方は多いかと思いますが、空に一番近いところで仕事をする人に由来し、高い木に登り伐採を行う人のことをいいます。
腰ロープ一つで木に自分の命を委ね、木と会話をしながら枝葉を採っていく。
その作業は本当に人が自然の一部になっている状態なのだろうと想像します。
お話を聞いていると本当に心の底から木のことを想い、考え、いかに木を傷めず、残すことを大切に伐採をしていることが窺えます。

8月の高来神社(大磯)
その中でも印象に残ったお話を紹介します。 「そよ風」の原理のようなお話。
木々は根から土中の水を吸い上げ、その余剰分を葉から蒸散します。 その蒸散する際に微細な風が起き、その現象が多くの葉で起こり、その重なりでそよ風が起きる。 それが夏の暑い季節などに吹くと、木々の下で涼んでいる人を心地の良い風で癒してくれる。 ということは、土中に含まれる水が潤沢でなければそよ風が起きないことがわかると思います。 今と昔の朝靄(葉の蒸散)の違いからも土中の水が潤沢でないことが窺い知れます。
今は本当に多くの人たちが自然に対する感謝の念を忘れ、先の世代のことを考えず、目先の快適さだけを追い求めていると感じます。
土中環境が大変な危機状態にあり、それが今多くの場所で起きている土砂災害等の要因となっています。メディアでは自然災害と謳っていますが、人災だということを知ってほしい・・・

4月の六所神社(大磯)
最後に
空師の観点で今の熊の問題をどう捉えているのかを佐野さんに質問させていただきました。
昔は山と住居の間に里山という緩衝地帯があった。
それが今ではその緩衝地帯である里山が荒廃し、山と住居がすぐ隣という状況になっているのだという。
里山の再生が非常に大切なことがわかりました。
この問題は緩衝帯となる里山に対するの国の予算が非常に低いという事も要因の一つなのだろう・・・
里山再生をもっと国の補助金でできるようになることを願いたいですね。



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